Blue jasmine
リノリウムの階段を最上階まで上がると
夏だというのに、ここはひんやりと気持ちいい。
一番上まで上がると、使われなくなった机や椅子に埋もれて鉄の扉のドアノブが見えた。
ほこりっぽさに、「こほっ、」とひとつ、小さな咳をする。
屋上の鍵が、天文部の要望で開けっ放しにしてあることは多くの生徒が知っていた。
案の上、星の見えない昼下がりでも鍵はかかっていない。
ドアノブを回してドアを押すとギィィ…と、錆びた鉄の嫌な音がする。
一歩踏み出すと、手にはドアノブの冷たさが残っているが夏の日差しは思いの外強く、一気に熱が体中にまわる。
「……、あつ…」
眉を寄せて、太陽を睨みつけた。
先ほどまでさらさらだった肌は一瞬にしてベタついて
ワイシャツが張りつく。
気持ち悪い。
ワイシャツのボタンをひとつ外し、パタパタと体に空気を送り込むが、生ぬるい風が申し訳程度に入ってくるばかりで一向に涼しくはならない。
夏だというのに、ここはひんやりと気持ちいい。
一番上まで上がると、使われなくなった机や椅子に埋もれて鉄の扉のドアノブが見えた。
ほこりっぽさに、「こほっ、」とひとつ、小さな咳をする。
屋上の鍵が、天文部の要望で開けっ放しにしてあることは多くの生徒が知っていた。
案の上、星の見えない昼下がりでも鍵はかかっていない。
ドアノブを回してドアを押すとギィィ…と、錆びた鉄の嫌な音がする。
一歩踏み出すと、手にはドアノブの冷たさが残っているが夏の日差しは思いの外強く、一気に熱が体中にまわる。
「……、あつ…」
眉を寄せて、太陽を睨みつけた。
先ほどまでさらさらだった肌は一瞬にしてベタついて
ワイシャツが張りつく。
気持ち悪い。
ワイシャツのボタンをひとつ外し、パタパタと体に空気を送り込むが、生ぬるい風が申し訳程度に入ってくるばかりで一向に涼しくはならない。