劇団「自作自演」
「ずっと親友でいようね?」





ブラックボード作戦が見事成功し、その日から私は、誰からも話しかけられなくなった。



完全な孤独の渦中の私を敦くんは、徹底的にいじめてきた。机や持ち物にラクガキをしたり、授業中に消しゴムを投げてきたり。



それが敦くんのグループを中心に徐々にだけど、浸透してきた。敦くんのことが好きな女子グループからも無視されることになった。



敦くんのいじめ方は、とても演技だとは思えないほど、リアルだった。



でも、こうしていじめを受けてみて、感じたことがある。



いじめは演技だとわかっていても、心に、思わず頬の筋肉が緩むような、恥ずかしいような、そんな気持ちになる。



これを「悲しい」とか「寂しい」といった形容詞で表現するには、あまりに稚拙だ。



演技だとわかっていてもこれくらいのダメージを受けるんだから、本当にいじめられている人のことを考えると、胸が痛む。




< 259 / 307 >

この作品をシェア

pagetop