増えた記念日
「良かった、ありがとう。今日は一緒に帰ろう。定時にあがれるようにするから、一緒にご飯食べよう」


「はい」


「じゃ、よろしく」


篠沢さんは自分のデスクに行こうと立ち上がったけど、その寸前に私の頬に顔を近付けた。

えっ?

ええっ!

篠沢さんの唇が軽く私の頬に触れた。

一瞬だけど、キスされた?

呆けた顔で立ち上がった篠沢さんを見るとふんわりと優しく笑っていた。

今日は1日ふわふわした気持ちで過ごすことになりそう。

そうだ!

今日は特別な日だ。

毎年この日が記念日になるように願いを込めて……

11月2日の欄にキラキラマークをたくさん書いた。

今日は告白された記念日、付き合い始めた記念日、初デート記念日。

私は増えた大切な記念日を眺めながら、口元を緩ませた。

幸せだな。


ーendー
< 10 / 10 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:33

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

このドクターに恋してる
水杜/著

総文字数/93,680

恋愛(純愛)180ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
白衣のドクターは憧れの人で、気安く話しかけられる関係にはなれないと思っていた。 それなのに「俺だけを見ろよ」って、どういうこと? クールな彼に強く抱きしめられて、胸が高鳴る。 この人のそばにいたいと思い、恋心を自覚したのだった。 ※表紙イラストは、にぼし様に描いてもらいました。 **2024.11.17*完結**(2025.3.28 加筆修正)
深まり愛~彼は一途な想いを貫く~
水杜/著

総文字数/86,634

恋愛(純愛)176ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
人生に絶望した日、私を救ってくれたのはあなただった。 恋人に振られた夜、別の人からプロポーズされた。 彼はかつて好きだった人。 彼の愛はどこまでも深かった。 どんな困難があろうと、私たちは乗り越えられるはず……。 **2023.2.20*完結**
朝の光をあなたと感じて
水杜/著

総文字数/15,064

恋愛(純愛)32ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
誰に何を言われても、周りにどう思われても 一番大事なのは、二人の気持ち。 お互いの気持ちが同じなら、二人で歩いていける。 凛花 大学生(20歳) ✕ 純也 IT企業の副社長(32歳) *2022.8.30*完結*

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop