ベル姫様と溺愛ナイト様
「ベルを助けるのは俺なんだよ」
「レイ。わたし買い物がてら、メロゥにお弁当届けてくるね?」

「……ベル、一人で行っちゃ、ダメだ……。
なら俺も……」

ぐったりとベッドで寝込むレイが起きようとするのを、ベルは慌てて止めた。

「寝てて、レイ。
そんな高熱出して、一緒に出かけるなんて言わないで?
大丈夫、お弁当届けるくらい、わたしが済ませてくるからね」

ベルは熱でぼうっとしながらも動こうとするレイを寝かしつけて、姉に合図をして店を出た。

メロゥはここに来て一週間ほどで仕事を見つけた。
この国の城の、傭兵採用試験に受かったのだ。
さすがレイに剣を教えた腕を持っているだけある。
一緒に試験を受けたメンバーの中でダントツトップの成績を収め、その手腕を大いに称えられたらしい。
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