ベル姫様と溺愛ナイト様
「姫……?」
「おーぅ!
ジェミロ、ベルちゃん、来たよー!」

「よぅベルちゃん! 今日も可愛いなっ!」

「いらっしゃーい! みんな、今日は何飲む?」

「最初はいつもので頼むなぁ!」

「はーい!」

ジェミロはカウンターの中で酒とつまみ、そして料理の準備にせわしなく、ベルはホールで注文を取ったり届けたりと、くるくる動き回っている。

「ところでさっき、凄いことになってたよなぁ?
何があったってんだ?」

カウンターの右隅にどっかりと腰をかけた大柄な男性の常連客が、ジェミロにがははと笑いながら話しかける。

「そりゃあ、こっちが知りたいっての!
死んだかと思ったわ!」

「俺らもありゃあ驚いたぜ!
しっかしあんなことがあっても今日も営業してんだな。
ジェミロ、お前の心臓タフすぎてカッコいいぜ!」

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