ベル姫様と溺愛ナイト様
不安そうな表情を浮かべるベルの頭を撫でながら、ストップ、と言われたにも関わらずメロゥは言葉を続けた。

「それから、とりあえず夕飯の調達だな」

まだ王国復興の話が続くのか、と構えていたベルは、ほっとしたのかメロゥを見上げてふふっと微笑んだ。

「なんだよ二人で楽しそうに」

ベルの頭の上に置かれたメロゥの手を払い、後ろから彼女を抱きしめるナイトは、兄貴分を本気で睨んでいた。

「あぁやれやれ、手間のかかる弟と妹だよ。じゃ、俺は買い出しにディティールに行ってくるから、2人はのんびりしててくれ。当分の食料と、必要そうな物、
調達してくる」

「え? 一人で行くの? 大変じゃない? なら皆で……」

ディティールに行く、と言う言葉に反応したベルを、レイが後ろから抱きしめたまま言った。

「だめだよ、ベル」
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