雨の日のシロ
「元カレ…」


「あぁ、あの元婚約者?」


「うん…」


センリには全部話してある。


センリと出会った日に婚約者から二股をかけられていて別れた、と。


「そいつが今更サワに何の用なわけ?」


「駅で会ったのは偶然なんだけどね…彼女と別れたからヨリ戻さないかって」


微妙な沈黙がわたしたちの間に流れる。


「ハハハ、イヤになっちゃうよね!もうアイツなんか眼中にないっていうのに!」


「…そう」


それから口数が少なくなったセンリと〆のデザートを食べることもなく、わたしたちはお店をあとにした。
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