ナンパボーイズ

優香ちがい




*とーたside*




その頃、オレは、屋上のベンチで昼寝の最中だった。教室では数学の授業中だったが、知ったこっちゃない。

教師たちはみな、オレに恐れをなしてるのか、注意どころか目を合わせようともしない。

オレが何をしようと、この学校で文句を言ってくるやつは一人もいない。

もし授業中や廊下でセックスをしても、奴ら見てみぬふりをするんじゃねぇかとすら思う。

だいたいいつも昼近くに来て、午後はどっかで昼寝。今日も、屋上の日当たりいいベンチで一服して寝ていた。

しかし、この日にかぎって思いがけない邪魔がはいった。

屋上の扉がガンッと開いたかと思うと、ツレのひとりが駆けてきた。

「やっぱここいた!やべーよ、とーたくん!」
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