想いの境界線
「そんなの決まってるじゃんっ!目覚めのキスしかないでしょ‼王子様はお姫様のキスで目覚めるって物語があるんだしぃ、あ…何なら今からでも良いよ~」


ちょうど遥斗の前にコーヒーカップを置いた手を軽く握られる。握られたその手を引いて遥斗の額にデコピンする。


「…痛っ!」


額を擦りながら上目遣いで私を見る遥斗に


「色々突っ込み所満載だけど、とりあえず先に天誅ね」


自分のコーヒーを置き遥斗の向かいの席に座った私を合図に二人で手を合わせる。


「いただきます」
「いただきま~す」


オムレツを一口頬張る遥斗の様子を見ながら、自分もトーストに手を伸ばす。


「…うまぁ…ななちゃん今日もめっちゃ美味いよ!ありがとね」


「どういたしまして」


笑顔の遥斗に笑顔で応える。
これが高校2年生になった私の朝の日常。
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