だから、お前はほっとけねぇんだよ

「ったく、期待して損した」



……なんて文句を言いながらも、パクパクとケーキを平らげていく琥侑。



「何よ……ほんとは好きなんじゃない」


「あ?誰が嫌いっつった?」



勝ち誇ったような顔でふふんっと笑う琥侑が可笑しくて、あたしは思わず笑みをこぼす。



「……何笑ってんだよ」


「え?あたし笑ってた?」


「……くそっ」



こうやってコロコロと変わる琥侑の表情が……こんなにも愛しい。




……やっぱり諦める事なんてできない。


こんなにも辛くて、

こんなにも愛しくて……


言葉にできない想いが募る。




もう後戻りなんてできない。



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