だから、お前はほっとけねぇんだよ

あたしはいったん言葉を切って、琥侑を真っ直ぐ見つめ返した。



「あたしは琥侑が好きだって言っててくれれば、それで良いから……」



琥侑に小さく笑って見せた。



……今は、嘘なんて付きたくなかったから。

あたしは正直な気持ちを琥侑に伝えた。



すると琥侑は目線をあたしから逸らし、少しだけ照れたような表情を見せる。



「……バカかお前は」


そう言って琥侑はあたしの頭を軽く叩いて、その手であたしの髪を乱暴に撫でた。



「まァ……サンキュな」



小さな声だったけど。

確かに琥侑はあたしにお礼を言ったんだ。


琥侑の柔らかな一言ををあたしは聞き逃さなかった。




「……うん」



何だかキュウって胸の奥が絞られたみたいに苦しくって、嬉しい。


あたしの素直な気持ちを琥侑はちゃんと解ってくれた。

そんな些細なことがすごく幸せなんだ。



琥侑……

やっぱりあたし、アンタのこと半端ないくらい好きみたい。





握られたままの手は……熱い。



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