だから、お前はほっとけねぇんだよ

驚いて振り返ると、そこには眉間にしわを寄せた琥侑が。

朝だからなのか、いつにも増して機嫌が悪い。



「おはよう……遅かったね、もう2時間目だよ?」



おずおずと琥侑に向かって話しかけてみると、チラッと琥侑の目があたしへと移る。



「知ってる」



そう言った琥侑は本当に冷たくて、背筋に悪寒が走った。



「あれ?おっはよー琥侑ちゃん♪今日休みなのかと思ってたよ」


「ナツ、そこ俺の席」



なっちゃんの爽やかスマイルを、琥侑は泣く子も黙る鬼のオーラでスパッと切る。



怖い‼

怖すぎるよ琥侑‼‼



「あーごめん。勝手に借りてた」



なっちゃんは潔く席を譲る。

そして席を譲られた琥侑は、ドカンと乱暴に席に座った。




「……お前ら何してんの?」



班机にして、旅行雑誌やらしおりやらを並べているあたしたちを見て琥侑はボソッと呟いた。



「え?何って……」

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