魔法と不気味な洋館の少女。
クロと館。

シロに言われ、館に入る。

別に。言われたから。


入ると、まだ、暗かった。


「こっちだよ」


そういわれ、入って右の部屋に入った。

本がいっぱいだった。


あたしが背伸びをしても届かないことろまで。


世界はこんなに本があったんだ・・・。


「すごい?」


シロに言われ、こくと頷く。


「言わないの?」


言わない、というより、言えない。


まぁ、シロには知らないか・・・。


「声が、でないんだ?」


思っていることを当てられ、少し動揺が走った。


こくこくと頷く。


「声、だしたい?」


・・・・・・


出してみたい。


けど、初めて出すから・・・


出し方、分かんない。


「・・・・・・・・・!?」


声が・・・ひゅう、ひゅうって聞こえる。


喉に、空気が入った感じ。

「出るよ。”あ”って言ってみな」


「・・・・・・ぁ・・・」


小さかった。


けど、いえた。

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