Sweet Hell

Happy end? or Bad end?

「俺と・・・結婚してくれますか?」

するとちょうど注文したアルコールが届いた。

「とりあえずグラス持って。乾杯」

そうすると彼はマティーニを持って私のグラスに軽くぶつけた。

彼はマティーニを飲むと、ふぅ〜と言って息を吐いた。

「俺、こう見えて結構緊張してるんだからな!」と言って彼は笑った。

私も可笑しくて笑うと一口お酒を飲んだ。

「どうかな?」

「え?」

「え?じゃないよ。プロポーズしてるだろ」と言って
彼は真っ赤な顔して照れ隠しのように笑った。

「あぁ、そうか。うーん、ちょっと急でびっくりしちゃって・・・」

「そっか。まぁ、以前仕事の方を頑張りたいからあまり結婚願望ないって言ってたしな」

「え?」

「覚えてない?俺の歓迎会の時に言ってただろ」

「あ、そっか。あの時ね、あの時・・・」

私はあの時のことを思い出して押し黙った。

大介さんは黙り込んだ私を見てテーブルの上にマティーニを置いた。

「誰も見てないし、別にいっか」

そう言うと私の顎を持ち、くいっと上げると
唇を近づけてきた。

思わずびっくりして私は顔を背けた。

「ご、ごめん。私、トイレ」

そう言うと私は、その場から逃げるようにそそくさと
その場所を後にした。
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