小悪魔執事と恋ゲーム
「お望み通りにお弁当をお持ちしました」
「届けなくていいって言ったのに……」
「そう言われましても、困ってるお嬢様を無視できないのが執事としての大事な役目なので」
なにカッコつけちゃってるのかしら……。
「キャァ~~~ッ!! 八乙女さんったらお優しいのねぇ……ますます惚れちゃいますわっ」
「私にもお弁当を届けに来てほしいくらい……」
「本当ですわ! 穏花お嬢様が羨ましい」
周りから聞こえてくる願望の声に、わたしだけはポカーンとしてしまう。