ある日、君から貰った愛。
マグカップを持ったままのヒロは、

戸惑いながらもマグカップを

置くのが精一杯のようだった。

「ちゃんと、目の前で笑えたの、ヒロが初めてだし…」

そう言いながら、私は泣いてしまった。

「こうやって…目の前で、泣けるし…」

泣きたい気分だった。

理由なんてないけど、安心したのかな。

それとも、ヒロに感じた愛おしさが

そうさせてしまうのか…。

まだ戸惑いがちだけども

ヒロは私を抱きしめ返しながら

ゆっくりと背中をさすってくれた。

その手の温かさが心地よくて、

余計に涙が溢れてくる。

どれぐらいか分からないけど、

しばらく、ヒロに抱きついたまま、

背中を擦られながら泣いていた。
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