幼馴染はどこまでも俺様過保護
一人で大丈夫

ああ…いつになったらここから出られるのだろう…

なぜ…こんな事になっているのだろう…

どんなに考えても頭が働かない。

私は部屋の隅に膝を抱えて座り、頭を膝に預けて長い時間ずっと考えていた。

これが私の運命なの?…

私はこの運命を受け入れなければいけないの?…

誰か私を助けて…

お願い誰か私を救い出して…

なんど助けを求めても誰も助けてくれない。

もう考えるのは辞めよう…

そう思った時、廊下から聞こえてきた物音に私はドアまで近付き耳を澄ませば男と女が話していた。

「ねぇ大丈夫なの?私達には時間ないんだよ?」

「分かってる!だから俺だって…とにかくあいつが言う事を聞く様に脅してでも何とかする!」

「ねぇ?もし…もし上手くいかなかったら…どうするの?」

「その時はあいつを…」

まずい!このままでは私はあいつらに殺される。何とか此処を脱出しないと… 

ここは2階の一室でドアの他に出れると言ったら腰の高さにある窓だけ。窓の外には花を終わられせた桜の木が葉を茂らせ初夏の日差しを遮ってくれている。

そうだ!あの窓から、あの桜の木を伝って下りれば…通りに出れば直ぐに車は拾える。

窓の鍵をあけ音を立てないように、そっとガラス窓を開ける。窓のすぐ側まで伸びている枝は、少し細い気もするが、私の小さな体なら耐えてくれるだろう。

身長155㌢体重37㌔正確には36.6㌔の小柄な私はいつも『お前、ちゃんと食べてるか?』『食べないと大きくなれないぞ?』と心配されて来た。今でも時折『早く大きくなれよ?』と誂われるが、この歳になってこれ以上大きくなれる訳もなく、いつも煩い放っとけと心の中で悪態をついている。

窓の下を見れば足が竦む。

高いな…でも、大丈夫!私ならやれる。




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