鷹なし、ことり。
隣のアイツは




いつも通りの朝





いつも通りの時間に、私は目を覚ます




だけどいつもと違うのは…







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寝癖はないかな、忘れ物はないかな。
初日から忘れ物なんてしたらそれこそ大恥だからね

ふふっちょっと楽しみなんだ
なんてったって私は今日から高校生



入学式の前のこの緊張とわくわく感が入り混じった気持ちなんて人生で3、4回だけだよね!




『いつもと違う』新鮮な気持ちで、私は朝を迎えた


やっぱり楽しみ!高校生活!


そして私は階段を降り、勢い良くドアを開けて言い放った

「お母さんおはよう!」

「あら、元気ね」

「お母さん小説だからってそんな口調で喋んなくていいんだよ!」

「ことり、そういうこと言っちゃダメ。」

だってそうじゃない。お母さんいつも私に向かって真顔で毒吐いてくるじゃない

「口に出してるけど、その顔パンパンに腫れさせたい?」

おーこわいこわい。


そんな茶番をしている間に走ってリビングまで行ってご飯をよそる。

これも『いつも通り』


私はお母さんと机を挟んで会話をしながら朝ごはんを済ました。





私はお母さんと2人でこの家に暮らしている

お父さんは、私が産まれた時は既にいなかったし、それが当たり前だと思っていた


母からは父の話をしてこないので、私もあえてその話題を出したことがない



でも私は今、とても幸せだ

自分が不幸だと感じたことは一度もない


なんたって私お母さん大好きだからね!




おっと、そろそろ学校に行かなくちゃ!

真新しい制服に身を包み鏡の前で一回転してみた


ん〜!やっぱり可愛くない!





「お母さんいってきまーす!!






カバン忘れたー!」




「お馬鹿なの?」



えへっ冷静なツッコミありがとうございます


「じゃあ今度こそいってきまーす!」





だけどね、もう一つだけ、いつもと違うのは

ついこの間まで玄関を開けたら正面にたって待っていたアイツが、今日からいな



「よお。おせえよ。」

「って いるやんけー!」

「は?」

「玄関を開けたら、中学でおさらばだと思っていた顔も見たくない幼なじみのアイツが何故か当然の如くそこに立っていた。正直邪魔である。」


「おい口に出てんぞ。」

「私はそんな言葉を無視して粗大ゴミの横を通り過ぎ」

「させねえよ!?」




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