rabbit vanira
「ただいま、おばあちゃん。」


「あんれまぁ。どこ行ってたんだい?」

「公園まで…」


「そうかい。あの公園はよく遊んでた場所だ


からねぇ。要と。」


「そうだね…」


再び胸が痛くなる。


「そうだ、そろそろ命日だねぇ…」


「そう、だね…」


カレンダーを見ると6月中旬


「もう3年、経つんだね。」


「あんまり深く考えないでよ?羽咲ちゃんの


せいじゃないからねぇ?」


また、悪い夢がフラッシュバックする。


でも、その後宇佐木さんの笑った顔も浮か


ぶ。


どうしてだろう。どうして今宇佐木さん?


「…ちゃん、羽咲ちゃん!」


「え、あ、ごめん。聞いてなかった…」


「どうしたんだい?」


「うんん。何でもない…」


本当にどうして宇佐木さん?
< 39 / 175 >

この作品をシェア

pagetop