rabbit vanira
「え?」


「さっき友達と二人でいた子だよね?」


「は、はい…」


誰だろう…この人。綺麗な顔をしてるな…な


んか、料理人みたいな服を着てる…


「アレ?その制服…」


その人が話そうとした時だった


ふわりと甘い香りがあたりに漂う。


思わず口を塞ぐ。


「え!だ、大丈夫っ!?」


その人が、私の前にしゃがむ。顔が近い。


そうするとさらに香りが強くなる。


いけない。この人だ。この香りはこの人の


ものだ。


「…ないで…」


「え?」


「私に、近づかないでください…」


「え…」


私はそう言って口を手で塞ぎなからその場


を走り去った。


「面白い子、みーっけ」


彼が悪戯な笑みを浮かべているのを知らず


に…
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