隣の部屋にフランス人

「お姫様は働かないで」

私は辺りを見回した。

「お姫様?どこ?」

「リリーお姫様はここ」

ルイは私の頭にぽんっと手を置いた。

「え?お姫様?私?」

「そうだよ」

えーー?どゆこと?姫の要素0%の私が?

「あ、ああ、お世辞か!ありがとう」

「お世辞じゃねぇ」

王子はなぜか真剣な顔だ。
なんだなんだ?どうしたんだ?

「リリーはかわいいお姫様なんだ」

どえーー!ほんとにおとぎ話の王子が言う台詞を
言っておるではないかー!

「あー…ありがとうね」

ちょっと照れてしまった自分がいて、
なんか恥ずかしい!

「だから荷物持つ」

ずっと荷物持つってうるさそうだし
ここはお言葉に甘えて持ってもらいましょうか。

「ありがと…」

なんだこのリア充的な空気…

彼氏いない歴=年齢の私には

慣れてなくて息苦しいぞ。
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