元カレバンドDX
 今度は、風太を探しに舞台そでに行こうと、楽屋から廊下に出たときだった。

「あー!風ちゃん!」

「うわぁ~!陽愛ちゃん!」

「客席見て来たの?」

「うん、オレたちがこんなに広いホールでライブできるなんて夢みたいだねぇ……」と、風太は急におろおろと泣きだした。

「え!?うそ!?こんなときに泣く!?」

 あたしは、風太を自分ひとりの楽屋に連れて行き、ティッシュを渡した。

「陽愛ちゃん、ありがとねぇ……」

「お礼はライブが成功してからだよ!」

「わかった」と言って、風太はチーンと鼻をかんだ。

「あ、LINEだ」

 充電器に刺さったスマホが、通知音を鳴らした。

 中を開くと、小巻からで、それを読んだら、風太同様、あたしも泣きそうになってしまった。
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