貴方との奇跡
あれから毎日楓からメールが来る。

他愛もないメールが。

3年間を埋めるように。

ある日ご飯に誘われた。

その返信だけは返せなかった。


「茜。隣いい?」

食堂で先輩に会った。

あの話をして来る事が解った。

返事を返す前に私の隣に座った。

「ご飯誘った事怒ってる。」

思った通り。

「別に。最近、忙しいので返信出来なかっただけです。」

本当は嘘だって、バレるよね。

「楓にもそう言ってある。あいつもさあ。後悔してるんだよ。気づいてあげられなかったって。」

楓らしいよ。

いつも私の見方してくれてたから。

最後に裏切ったのは私。

「1回、ちゃんと話してあげて欲しい。」

先輩は私に頭下げて来た。

「忙しく無くなったら返信します。お先に失礼します。」

先輩の顔を見ずに席を立った。
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