水泳のお時間<番外編>
「―将来の夢?」


わたしの質問に、瀬戸くんが歩きながらこっちを見た。

その横で、わたしは顔を赤らめながらコクリとうなずく。


「は、はい。瀬戸くんは将来の夢とか、なりたいものとか、ありますか…?」



瀬戸くんと一緒に帰りながら

わたしはずっと気になっていたことを聞いてみた。


なんだか、こういう話って緊張する。

でも好きな人が将来目指しているものって

自然と気になるモノ。


ドキドキしながら返事を待つわたしに

隣を歩く瀬戸くんは屈託のない笑顔を向けて教えてくれた。


「俺が目指してるのは体育の教師だよ。人にものを教えるのが好きだし、何より子供が好きだから」

「体育、教師……?」

「うん。言ってなかったっけ?」


瀬戸くんの話を聞いた途端

わたしの頬はポッと、まるで花が咲いたみたいに赤くなった。


体育教師かぁ……。

瀬戸くんが、体育の先生…。


きっと似合うんだろうな。

ううん。絶対、絶対似合うと思う。
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