white coat

「いや、違います。院長の息子ってところですかね」



「あーね」


「とりあえず、最低3日は入院してもらいます」



「…やだから」


「入院道具などはご家族の方に連絡をとってください」



いねーよ

…家族なんか



「なんであんたに色々決めらんないといけないわけ?」


「医者ですから」


「医者だからなんでもありってこと?」


「いえ。医者なので私の仕事は杏乃さんを元気にすることです。なので杏乃さんが元気になるまでは私の指示で動いてもらいます」


「ふざけんな…あたし帰る」


「まぁまぁそう怒らずに」



笑ってるくせにかなりの力であたしをおさえつける




「あーもうっ!!なんなの!?
あたしは自由でいちゃだめなの!?」


「……」


「ほんとむかつくんだよ…
そういう偽善者!自分の名誉のためにあたしを助けようとするやつ!今までに何人もいた!!」


「……」


「あたしが珍しい病気だからでしょ!?
治らないって言われ続けてるから、みんなあたしを救うとかいいながら自分の名誉のため!…なんなんだよ」



「……」



「死ぬことなんて怖くない。これっぽっちも。あたしがなくしてこわいものなんてない。あたしが消えて悲しむ人もいない。あたしなんて…いてもいなくてもどうでもいいんだから」



「…調子乗ってんな」



「…は?」


「その被害妄想やめたら?俺の名誉のため?ちげーよ。そんなもん求めてないしいらない。そんなくだらねーことでお前をここまで縛ってるわけじゃねーよ」



「…うそだ。今までのやつら全員そうだった。どうせお前もそうなんだろ!?」


「今までのがそうだったからなに?俺もだってなんで言いきれんの?」



「それはっ」


「俺はお前を助けたいだけだ。名誉も金もいらねーよ」



「…そんなの…どうやって信じればいいの?今まで騙されてきたのに…こんな苦しい思いするくらいなら。…死にたい」



「じゃあ死ねば?」

「え?」



「はいこれ。これ飲めば死ねるから。死になよ」



粉薬…?


宮田がもってる薬を飲めば死ねるの?



「……」


「ほら、飲みな?自分で飲めないから飲ませてあげよっか?」



あたしの口元にそれをもってきた宮田



死ねる


死ねるの?



「ほら口開けて?」



死ぬ…



「ほら早く」





「やだっ!!」




あたしいま…



なんていった?



死ねば楽になるのに



なんであたし…




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