みんなみたいに上手に生きられない君へ
「全然いいよ。
それより、月子はどうなの?」

「え?私は、......もちろん彼氏出来たことないよ」

「もちろんってなんだよ~」

「だって、本当に何もないし、男子の友達さえいなかったし、手を繋いだのも和也くんが初めてだよ」



もちろんいないと答えると、なぜか笑われてしまったけど、今までそんなことには一切無縁だったんだから仕方ない。

彼氏どころか、圭佑くんのことがあるまでは、男子と話すことさえめったになかった。

和也くんにこっそり憧れてたくらいで......。



「マジで?そっか~、じゃあ悪かったかな~」

「何が?」

「いや......、今日、どう思った?
手繋いだ時」

「どうって......びっくりしたけど、嬉しかったし、もっとあの時間が続けばいいのにって思った」



どうって、どういう意味なんだろう。

とりあえず聞かれたままに、今日のことを思い出しながら答えれば、返事が返ってこなくなってしまった。
< 144 / 207 >

この作品をシェア

pagetop