みんなみたいに上手に生きられない君へ

・トクベツ

「なんかさ~二人いい感じじゃない?」

「うん、付き合ってるかと思った」



9月、夏休み明けの最初の月曜。

今日は和也くんと圭佑くんの部活が休みで、みんな予定がなかったから、珠希ちゃんも含めみんなでカラオケに来てるけど......。

さっきから、珠希ちゃんも圭佑くんもこんな感じだから困る。

私と和也くんがちょっと話すと冷やかしてくるし。


バラードを歌いながら苦笑いしている和也くんに、申し訳ない。

和也くんってほとんど画面見ないけど、歌詞全部暗記してるのかな?



「もう二人とも、さっきからおかしいよ。
和也くんに迷惑だよ」

「俺は別にいいよ。
付き合う?」

「え......」

「って言っとかないと、月子に失礼?」

「なにそれ、本当に付き合っちゃえばいいのに」



なんだ、冗談......。


和也くんは歌い終わると、珠希ちゃんと一緒に笑いながら、部屋を出ていった。

ドリンク取ってくる、と。



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