みんなみたいに上手に生きられない君へ
「なんで捨てるんだよ~、捨てないよ。
ていうかさ、一回目に書いた手紙も欲しいんだけど。
今度もってきてよ」

「も、もう捨てた」

「え~!なんだよ~、照れるなよ~」



ニヤニヤと、だけどやっぱり優しい顔で、私をのぞきこんでくる和也くんに、ますます恥ずかしくなる。



「照れてるわけじゃ......。

そ、そうだ!私もお母さんとお父さんに手紙渡したんた。あと、カウンセリングも受けてみようと思う」



まだ返事は返ってきてないけど、だけどちゃんと読むねと言ってくれた。

和也くんのこと、珠希ちゃんや圭佑くん、それからお母さんとお父さんとのこと。

それは、私のなかに小さな変化をもたらした。



「そっか、うまくいくといいな」

「うん」  



すぐにわだかまりがなくなるわけじゃないし、もしかしたら一生気まずいままかもしれない。 

一生、ありのままの自分を認められるかもしれない。


だけど、和也くんの笑顔を見ていると、全て上手くいきそうな気がしてきて、自然と私も笑顔になっていた。




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