みんなみたいに上手に生きられない君へ
「つっきーじゃん!久しぶり~!
入れて~」


珠希ちゃんは私と目が合うなり、こちらに直進してきて、私の返事も聞かずにベッドに上がってきた。

つっきーなんて、そんなあだ名で呼ぶのは珠希ちゃんくらいだ。


珠希ちゃんはフレンドリーでオープンな性格だけど、珠希ちゃんと私は、友達と言えるかどうかは微妙な関係。


斉藤月子(さいとうつきこ)と佐藤珠希(さとうたまき)で出席番号も近くて、去年同じクラスだった時は何かと同じグループになる機会も多くて、必然的に話すことも多かった。

会えば話すし、たまたま帰りが一緒になった時に、何度か一緒に帰ったこともある。

だけど、それだけ。

今年クラスが離れてからはわざわざメールでやりとりすることもないし、休みの日に遊んだこともない。

だから、珠希ちゃんと友達かと聞かれたら、正直答えに迷ってしまう。


でも、私は珠希ちゃんが好きだ。

珠希ちゃんは本来なら苦手な部類の派手なグループの女子で、返事も聞かずにベッドに上がり込むなんて、本当ならちょっとずうずうしいと思うはずなのに、不思議と嫌な気分にならない。

......珠希ちゃんだからかな。


珠希ちゃんは、他の子とは違うから。
珠希ちゃんは、トクベツだから。


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