【完】俺のこと、好きでしょ?




2学期が始まって2週間ほど経った。


相変わらず、わたしと藤くんの距離は変わらなくて1週間に3日、家庭教師として勉強を見てくれるのも変わらず行われている。


今日は水曜日で、藤くんが家に来る日だ。


家に帰って、制服から私服に着替えて藤くんが到着するのを待つ。


18時を過ぎた頃、藤くんが到着してわたしの部屋にやって来た。


「今日はなんの勉強する?」

わたしの方を見ることなく、カバンを床に置いた藤くん。


「数学でお願いします!今日の授業で分からない所あったんだよね…」

「あー、空間ベクトル?」

「それ!ベクトルが苦手なのに、空間にしたらもっと分からないよ…」

それから数学に対する不満をグチグチと言っていれば、藤くんは呆れたように


「教えるからとりあえず座って」

そう言った。


< 129 / 240 >

この作品をシェア

pagetop