最期の時間を君と共に
「どうしたの、ゆずき」

「え?ううん、なにもないよ。じゃあ、私帰るね。部活頑張ってね」

私を避けるかのように素早く去っていく。でも、私は追いかけることはしない。そばにいて、わかった結果なのだ。彼女は、追いかけられることを好まない。放っておいてほしい派なのだ。

「あっ、ねぇ!ずっと教室にいた?」

「わっ……、うん、そうだよ」

教室に入ると、丸メガネのいかにも優等生です、って子が残っていたので聞いてみることにする。

「ゆずきが変なんだけど、なにがあったかしらない?」

「ゆずきちゃん?ああ……、碓氷くんに呼ばれてから、変になった、かな……?」
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