最期の時間を君と共に
指先が透けていく。誓の体が薄くなって、そばで見ていないと分からないってくらいになる。そんな中、誓の唇が動いた。私は全ての力を自分の目に使う。ちゃんと、最後の言葉を受け取れるように。
誓が手を振る。安心したように笑って、手を振る。私も手を振る。
ばいばい、誓。また、会おうね――。頬に伝う涙を拭いて、窓をみた。
君は幸せで残酷な言葉を吐いていった。当分は、誓離れができなさそうだ。


――“愛してる。”




END
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