ナナクセ探し 中学生編
映画が終わった後、近くの公園のベンチに二人で座っていた。

松木と篠田は別行動になった。



「宏美に、村上君のクセを7個探せって言われちゃって。

それで見ている内に、目が離せなくなって。

そんな自分が恥ずかしくなっちゃって……。」

うつむきながら、ボソボソと話し出す彼女。


「何で、俺?」

「うーん、私があまり話をした事のない男子だからかな?」

「…………。」
そんな事だったのかと思う。

「そもそも、何でそんな事するの?」

「あ……うん……。その、カードゲームで負けてバツゲーム的な……。」

とても言いにくそうだ。

「ごめんね。失礼な話だよね。
もう、止めるから。」


「俺のクセ、見つけた?」

「あ、うん、ひとつかな。
よく、首筋を触っている。」

「ふうん?」

そう言われて首に手をやってみる。

なるほど、しっくりくる。

これは、無意識に日に幾度となくやっている行動はのようだ。

「やっているかも。」


彼女は俺の事を意識していた訳でもなく、ましてや松木の事が好きだった訳でもなかった。


でも、俺はもう、彼女の事が気になり出している。

さっき、松木に感じたのは嫉妬だと思う。
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