ナナクセ探し 中学生編


いつまでたっても彼女は起きそうにない。
そろそろ、起こそうか。

でも、こんなに気持ち良さそうなのに。

そんな事を考えているうちに、バスの時間が近づいた。
本当に起こさなくては。

「川野、川野、起きて?バスの時間になる。」

「へ?!」

彼女は驚いたように起き、首を傾げながら口に手をやっていた。

俺は必死に理性を振り絞ったんだ。
寝込みを襲ってなんかいないぞ。

ずっと枕代わりに使われていた肩を少し動かしてほぐしながら、バスにのる。

赤い顔した彼女が後に続く。

「荷物、サンキュー。」

松木に言い、座った。

ああ、長い半日だった。
< 25 / 48 >

この作品をシェア

pagetop