ナナクセ探し 中学生編
「そうだな、他にやれそうな人もいないみたいだし、音楽の先生にもよくお願いしておくから、やってくれないかな。」

担任にまでこう言われては、川野も断れなかったようだ。

「自信ありませんけど、じゃ……。」

しぶしぶ、承知した。






そんなこんなで俺は、川野のピアノの練習に付き合って音楽室にいた。

指の動きを取りあえず覚えなければ、先生に教えてもらう所までいかないらしいので、二人だけだ。

俺は一番離れた所で勉強する振りをして、彼女をチラチラ見ていた。

譜面を見ながら一音一音確認するように真剣にピアノに向かう彼女の表情はとても可愛らしかった。

それにしても、川野がピアノを弾けるなんて初耳だし、意外だった。

小学校の時の発表会を見たかったなと思う。

俺は彼女の事をほとんど、何も知らないのだと、今更ながら思った。


「あー!もう、わかんない!!」

イライラすながらそう言って彼女が立ち上がる。

「お水飲んでくる。」

言いおいて、さっさと廊下に出ていってしまった。

俺は、見守っているだけしか出来なかった。


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