君の隣で花が散る

枯葉に微かな影

れおと会って、ほぼ一週間が経過した昼過ぎ、睡魔の力が一番強くなる5時限目。


私は机にうつ伏せになっていた。


窓から射す陽の光が私に睡眠を執拗に勧めてくる。

私はこの睡魔と戦うことに精一杯で、今教室で何が行われているのかなんて聞いてもいなかった。



黒板に白いチョークで文字が書かれる。


「では、これでいいですか?」


文化祭の実行委員の声が遠くから聞こえるような気がする。

パチパチパチパチと拍手が教室の中に響く。


「異論はないようなのでこれで話し合いを終わります」


実行委員が話し合いを締めると同時に、授業終了のチャイムが鳴る。



クラスメイトはそれぞれにやりたいことを始める。



よし!これで不甲斐なく眠れる!


私は瞼閉じ、睡魔に身を任せた。




「......か。......うか!」


どこからか声が聞こえる。


「杏花。おい!」


あれ、私呼ばれてる?
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