上司な同期は激甘サンタ
昔、一緒に飲んだ同期に聞いたことがあるのだ。

「木崎が好きなコって女の子!ってタイプなんだって」

あれから何年か経っているし、当時と同じコをまだ好きなのかは分からないけれど、多分好きなタイプは基本的にそんなに変わらないものだろう。


「女らしいじゃない女の子らしいって具体的にはどういうのよ?
リボンとかフリルとか流行りのスイーツとか!?それか、耳につく高い笑い声?」

不機嫌を隠さない声と視線で質問されて、苦笑する。

「私にもよく分からないですけどね。形容詞で言うならフワフワとかキラキラとか?」

それは形容詞じゃなくてオノマトペよ。と応えた三枝先輩はふっと口調を柔らかくして続けた。

「そんな不確かなものを理由に不健全な片思い続けるの?」


そうだよね。私もそうは思うけれど、振られる覚悟も恋を止める覚悟もまだ出来ないんだ。
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