上司な同期は激甘サンタ
「だって、だって木崎君飲みに行けないって言ったじゃない!それに寄り道せずに帰れって!木崎君がへんな約束させるから、私、お祝いしてくれるってメール断って自分で夕飯作ったのに!
だって大人だから!サンタなんて来ないと思うじゃない!」

興奮してどんどん声が大きくなるし、涙まで浮かんでくる。


突っ立ったまま、叫ぶように責める私に木崎君は近づいて来て、そっと抱き締めた。

「ごめんな。江藤に誘ってもらえて、ホントは凄く嬉しかった。断りたくなんかなかったけど、今夜は江藤のサンタになるって決めてたから。だから、本当にごめんな。」

そう言って木崎君はギュッと抱きしめる腕に力を入れる。


「俺さ、結構前から江藤の事好きだったんだ。だから用もないのにわざわざ営業に顔出したり、書類を届けに行ってさ。
その度に必ず話しかけてるから少しは気付いてくれてるかと思っても、江藤は全然気付いてくれなくて。
気付かれなくていい高木には速攻バレて、からかわれてたのに。」
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