ハルとオオカミ



「はるーっ! 助けてー!!」



朝、いつものように登校して教室へ入ると、ポニーテールの女子がそう言って私に飛びついてきた。


「アキちゃん。どうしたの」

「1限目の課題がねっ、出来てないっていうかね、いや、忘れてたあたしが悪いんだけどさ、今日の朝早くに学校来てやろうと思ったの、けどわかんなくてっ」

「わかったわかった。教えるから、落ち着いてアキちゃん」

「うああん! はる、大好きーっ」


えぐえぐと泣きながら抱きついてくるアキちゃんを引きずって、自分の席につく。


アキちゃんは机の上に英語の課題プリントを置くと、「ココとかマジ意味わかんない……」と眉を下げて問題文を指差した。

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