久遠の絆





「総帥」


隻眼の部下に呼ばれ、漆黒の青年が振り返る。


「また新たな師団の姿が見えますが」


ふっと冷笑を浮かべ、漆黒の青年は


「いくら来ても同じだ。すべて、消せ」

と静かに命じた。


隻眼の男は満足そうに微笑む。


そして。


「本願を達成されるのも、もうすぐですな」


そう言って辞して行った。


漆黒の青年。


ガルーダ総帥 シド・フォーンは。


もう一度船窓に体を向け、眼前で繰り広げられている砲火の応酬を見つめながら、


「帝国の末日も近い……」


と、どこか寂しげに呟いたのだった。






























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