ハートのキーホルダー
ひっくり返されたテーブル…



割れた窓ガラス…


何もかもが壊されていて

荒れ果てた部屋に一人ぽつんと父が立っていた。


「お父さん…お母さんは?」

「…」

「ねぇ!!」

「すぐ帰って来るよ!」

「本当に…?」

「そうだよ。だから安心して寝なさい。」

「…わかった。」

私は父の言葉を信じ、部屋に戻った。



私には兄弟がいない。

いわゆる一人っ子だ。

だから親は私を精一杯可愛がってくれた。

父と母はとても仲が良かった。

それなのに……

なんで…?

当時の私にはとても理解出来なかった。

でも父のすぐ帰ってくる

と言う言葉を信じ、その日は寝る事にした。
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