１００回の好きの行方
ｰチャンス到来ｰの行方
　台風が近づいているという予報の中、何故だか機嫌があまりよくない篤斗とともに、麻嘉は会社から遠く離れた工場に来ていた。

　工場は山奥の入り込んだらところにあるため、車をシャッターつきの車庫に入れ、何キロメートルかを歩く必要がある。

　辺鄙な場所だが、フラワーシリーズには欠かせない工場で、初めて二人で来たとき、登山感覚だねと話したのは入社仕立てな頃かと思いながら、麻嘉は無口な篤斗の後を着いていった。

　工場につくと久しぶりにあう麻嘉をすごく歓迎してくれ和やかな雰囲気の中、話が進んだ。

　篤斗もこの時は笑顔で対応し、冗談を言ったりして機嫌の悪さを感じさせない。

　さすが、プロの営業マンだなと麻嘉は関心し、さらに好きな気持ちが大きくなった。

「お嬢さん結婚するんですね！おめでとうございます！」

　麻嘉が喜びの声をあげると、工場長は頭をかきながら麻嘉に頭を下げた。

「麻嘉ちゃん、こんなお願いはどうかと思うんだけど。娘がフラワーシリーズの大ファンで。婚約指輪と結婚指輪を個人的にデザインして貰えないだろうか。」

「はい、ぜひ！！」

　即座に答え麻嘉に、工場長は恐縮したような顔をする。

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