100回の好きの行方

あいつの性格を知ってたはずなのー篤斗sideー

 麻嘉をお風呂に追いやると同時にメール音が鳴った。

ー台風、大丈夫ですか?ー

ー無事ホテルに着きましたか?ー

ー連絡が欲しいです。ー

 次々に来るのは、彼女じゃない菜月からだ。別に返信する必要もないと思っていると、次は着信がなった。

 取る気なんてさらさらないから、そのまま放置していると、鳴りやみ、ほっとしているとまた電話がなる。

 その繰り返しに、イライラしてしまいため息をつく。

 菜月を一瞬でも助けたいと思った、仏心が仇となり、話に社長が出てきたりして、菜月との決着がつかぬまま、未だに恋人の不利をしている自分が情けない。

 麻嘉がシャワーを浴びて出てきたとき、胸がザワツイてしまった。

 いつもはまとめている髪はおろしてあり、濡れた髪を無造作に触る仕草や、やけに短いバスローブから覗く足。

 ぴったりした服装を好まない麻嘉だが、バスローブが体に張り付いて胸がやたらと強調されている。

 最近よく尚志が言うことが理解出来た。

ー程よい露出の方がエロいー

 それを思い出したら、千華から送られてきたあの写メを思い出し、気がついたら、"来いよ。"って言ってしまっていた。
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