I need you !
彼が日本にやってきた。


「キャア!」
私は思わず叫んだ。

突然、後ろから抱きつかれ、心臓が止まるかと思った。

~~ここから、《 》は、英語で~~


《会いたかった!ユーリ》

この声、この香り。そう、それは、

《魁(かい)?》

《そうだよ。愛しのハニー》

《どうしてここにいるの?》

《今朝羽田に着いたばかり。美保がここを教えてくれた。びっくりした?》

《うん、死ぬかと思ったよ。なぜ日本に?》

《来月から、日本の支社に変わるから。これから毎日ユーリに会えて、ハッピーだよ。》

友達だけでなく、回りの人達ほとんどが、口を開けたまま、固まった。

魁が、私の顔を上向きにして、なんと、キスをしてきたのだ。

ここは、アメリカじゃなーい!

叫びたくても、口を塞がれている私は、どうしようもない。

やっと、離れてくれた魁は、何処吹く風よろしく、ニヤッと笑った。


本当に人騒がせなヤツである。


郷に入れば郷に従え、という言葉を知らないのか!

いや、知らないかもしれない。



《ユーリ、もう帰れるの?》

《うん、帰れるよ。》

友達の夏乃たちに、
「じゃあ!また明日ね。《魁、行こう》」

夏乃たちは、こくんこくんと、頷くだけだった。

私は、魁の手を掴むと、足早に先を急いだ。一時も早くこの場から去りたかったのだ。



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