ある雪の降る日私は運命の恋をする

楓摩side

―――――― 30分前……


「…………っ!!」

俺は検査の結果をみて絶句した。

「…………嘘…だろ……?」

それは朱鳥ちゃんの血液検査の結果だった。


白血球の数値が明らかに通常よりも高い。
それに、赤血球、血小板の数も減っている。


「楓摩~!元気かぁ~?って……全然、元気そうじゃないな……どうしたの?」

俺は黙って陽向に検査結果を渡した。

「あ~!この前言ってた朱鳥ちゃんか~!ん~どれどれ~?………………え…?何これ……嘘……でしょ…?」

陽向も明らかに動揺している。

それもそのはず。運ばれてきた時にした血液検査では異常はなかったのに、急激に数値が悪くなっている。

「……嘘。これ、本当に朱鳥ちゃんの結果なのかよ……!?」

「本当だよ。……嘘じゃない…………」

「で、でも!!こんなのっ…」

「俺だって嘘だって思いてぇよ!!」

急に感情的になってしまい、大声をあげてしまった。

「……っ!!…………ごめん大声出して。…………でも、ホントなんだ…。この事実は避けられねぇんだよ…………」

何故、ここまで感情的になっているのだろう?

なんで心がキュウッと締まるのだろう?

なんで……目頭が熱くなるんだろう?

……ポロ…ポロ…

なんで涙が溢れるんだ……?

なんで…気づかなかった!?

なんで……なんでっ…………

「……なんで、だよぉ…」
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