ある雪の降る日私は運命の恋をする
「…………ん……ぅ………ぃ……たぃ」

朱鳥が眠ってから2時間。

朱鳥の近くで、仕事をしていると、朱鳥が目を覚ましたみたいだ。

「あ、朱鳥起きた?まだ、傷痛む?」

コクン

「んー、一応、心配だから、1回病院行かない?」

「…………やぁ……」

やっぱりな。

「でも、診察して、軽い検査だけしたら帰れるよ?それだけ、頑張れない?」

「…………」

「もし、このまま、骨折とかしてるのに気付かなかったら、後で、もっと痛くなっちゃうし、変に骨がくっついちゃうかもしれないよ?」

「…………」

「だから、1度病院で診察しよ?」

コクン

「うん、偉いね。じゃあ、今から行こっか。」

朱鳥が目覚める前から用意しておいた、道具を持って、病院へ向かう準備をする。

用意が出来てから、朱鳥を抱き上げて、車に乗り、病院へ向かう。

抱っこした時、少しだけ朱鳥が熱い気がした。

もしかしたら、雨に当たって冷えて、熱出てきちゃったかな。

朱鳥も、少し、具合悪そうにしていた。

できるだけ、早く病院へ向かう。

家を出る前に陽向に連絡を入れておいたから、診察室は空けておいてくれてるだろう。

病院に着き、少し急ぎ足で診察室へ向かう。

診察室では、陽向が待っててくれていて、すぐに、診察ができた。

朱鳥をベッドに寝かせて、診察を始める。

「朱鳥、少し診察するね。まずは、体温計ってくれる?」

「ん……」

ピピピピピッ♪ピピピピピッ♪

「んー、37.7か……結構熱出ちゃったね。じゃあ、次は聴診するからね。服、捲るよ。」

服を捲って、聴診器で音を聞いていく。

服を捲った時、朱鳥の体にできたアザの数に、陽向は少し、驚いたような表情を浮かべていた。

「うん、いいよ。喘息もないし、音は大丈夫だね。今度は、少し触診するけど、いい?」

「……触診?」

「うん、触って、どこが悪いか確かめるの。だから、少しでも痛かったりしたら、教えてね。」

コクン

まずは、1番気になっていた、頬と鼻を触診する。

「…………っ!!」

「朱鳥、ここ痛い?」

コクン

「うーん、やっぱり、一応レントゲン撮っておいた方がいいかな……」

その後も、腕や足へと触診を進める。

足のすねを触った時、また朱鳥は痛そうに顔を歪めた。

「ここも痛い?」

コクン

「じゃあ、顔と足のレントゲン撮ろっか。」

陽向にレントゲンを撮る部屋の空きを確認してもらい、専門の先生にも来てもらった。

朱鳥は、レントゲンが初めてらしく、少しだけ不安そうだったが、大人しく検査を受けてくれた。

検査をすると、鼻と足にヒビが入っている事がわかった。

ヒビだから、固定をして、安静にしていれば治るので、その処置だけして、家に帰ることにした。
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