ある雪の降る日私は運命の恋をする

朱鳥side8

「…………グスッ…ヒック……はぁはぁ…グスッ……ヒックヒック…はぁはぁはぁはぁ……」

呼吸が苦しい。

楓摩に、全てを話して、私は泣いてしまった。

楓摩の言った通り心は軽くなったけど、泣きすぎて過呼吸になってしまう。

「朱鳥、大丈夫?落ち着いて。深呼吸だよ。スーハー…スーハー……」

「ヒックヒック…はぁはぁはぁはぁはぁ」

「朱鳥ー、落ち着いて、俺の真似して呼吸してごらん?スーハー…スーハー……」

「スー…ヒック……はぁはぁ…スー……ヒックヒック…はぁはぁはぁ」

呼吸を落ち着けようとするけど、頭とは反対に体が言う事を聞いてくれない。

頭もガンガンして痛いよ……

「朱鳥ー、ちょっと袋当てるねー、ゆっくり呼吸するんだよ。」

口に袋を当ててもらい、しばらくして、なんとか呼吸が落ち着いた。

「朱鳥、大丈夫?」

「……グスッ…………だぃ…じょぶ……」

「良かった。朱鳥、1回顔洗いに行こっか?スッキリすると思うよ。」

コクン

楓摩に、付き添ってもらい洗面所へ行こうと、立ち上がる。

すると

フラッ

「おっと!!危ない、大丈夫?立ちくらみしちゃったかな?」

「…うん、ちょっとフラッてしちゃったみたい。」

なんでだろ、さっきから、体も熱い気がする。

熱上がったのかな?

まぁ、とりあえず楓摩について洗面所へ向かう。

「朱鳥、顔、洗いな?目の所腫れちゃってるから、少し冷やした方がいいよ。」

「うん」

顔を洗おうと、前かがみになった時

「……ウッ…………オェェ…………」

いきなり、胃の中のものが口まで上がってきて、吐いてしまった。

「大丈夫っ!?熱、上がっちゃったかな?とりあえず、口ゆすいで、ベッドに行こっか。」

水で口をゆすいでから、楓摩に支えられ寝室まで向かう。

「朱鳥、体温、計るね。ちょっとごめんね。」

脇に体温計を挟まれ熱を計られる。

ピピピピピッ♪ピピピピピッ♪

「あちゃー、結構上がったな……38.7か。朱鳥、1度病院行く?」

「えっ……またぁ?」

「うん、だって辛いしょ?病院行って、解熱剤もらってこよ?」

嫌だな……

けど、このままなのもヤダし……

「薬もらうだけ?入院にならない?」

「うん、もらうだけ。だから行こ?」

しぶしぶ頷く。

「うん、じゃあ、行こっか。辛そうだし、抱っこするね。」

ヒョイっと持ち上げられ、車まで連れていかれる。

シートに座ると、ブランケットをかけてくれた。

「着くまで、辛かったら寝てていいからね。」

「うん、ありがとう。」

車が発進すると、すぐに眠くなってしまって私は眠ってしまった。
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