ある雪の降る日私は運命の恋をする

もう1度

ゴォォォォという音で目が覚める。

「……ん?」

「あ、朱鳥起きた?おはよ。」

「あれ?車?」

「うん、昨日、念のため夜だけ入院させてたんだけど、もう朝になったのに朱鳥起きないから、今は家に向かってる所。」

「あ、あぁ……」

なんとなく、思い出してきた。

昨日、イヤイヤ検査を受けて、処置しないと…って言われてグズグズ泣いてたら、陽向先生が苦笑いで寝たら?って言って、結局寝たんだっけ?

「朱鳥、調子どう?痛い所とかない?」

「うん、大丈夫だよ。」

昨日や一昨日みたいに、熱くないし、体も怠くない。

「よかった。でも、一応、また明後日入院する時に、もう1回検査させてね。」

「え…やだ」

「即答かよ(苦笑)でも、やらないとねー。」

嫌だなぁ……

だってあれ、苦しいんだもん。

カメラが入ってくると、オエッなって吐きそうになるし、その前の注射とか、麻酔とか本当に嫌。

「朱鳥ー、凹まないでよ……」

「だって、嫌なんだもん。」

「まーまー、まだ今日と明日がある訳だし、それに今日は無理だけど、明日なら友達と会ってもいいよ?」

「本当?」

「まぁ、朱鳥の体調がよかったらだけどね。」

茉夢と会えるのは、嬉しいけど、私が具合い悪そうにしてたら心配しないかな?

それに、まだ……

「朱鳥、まだ会いたくない?やっぱり、もうだいぶ消えてきたけど、顔の傷気になっちゃう?」

「……うん。」

「だよね。じゃあ、明日は会うのやめよっか。その代わり、明日は俺と映画でも行く?」

「行きたい!!」

「おっけー、じゃあ、決まりだな。俺は、これから仕事あるから、朱鳥家に連れて帰ったらまた、すぐ病院に戻んないといけないけど、安静にしてなよ?明日、ちょっとでも具合い悪かったらダメだからね?」

「うん!わかった!」

もうそろそろ家が近付いてきた。

家に着いて、楓摩に手を振りお見送りをする。

映画、楽しみだな!
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