ある雪の降る日私は運命の恋をする
出会い
”…………ん……こ…こは?”

白い天井と白いカーテンが見えた。

ピッ…ピッ…ピッ…ピッ……

乾いた電子音が響く。

私の体には管がたくさんついていた。

ふいに、腰の方に重みを感じる。

そこには気持ちよさそうに、スースーと寝息を立てて眠る男の人がいた。

「……ん?…あっ!!ゴメン!目、覚めたんだ!だ、大丈夫?痛い所とかない!?」

はい。と言おうとするが口に入っている管のせいで上手く喋れない。

「あ、その管邪魔でしょ?今その管抜くね。ちょっとだけ、苦しいと思うけど我慢してね?」

そう言うと、その人は私の口から管を抜き始めた。

少し…苦しい……

むせそうになるのを我慢する。

「……よし、取れた!まだ、少し息苦しいと思うけど自分で息してみて。」

そう言われ、呼吸をしようとするがどうも上手くできない。

「おっと、大丈夫?まだ上手く息できないね。ゆっくり深呼吸してみて、スーハースーハー」

真似して私も呼吸をしてみると、だいぶ呼吸が落ち着いてきた。

「も……だぃ…じょ……です…………」

呼吸を整え、お礼を言ったつもりだったが上手く呂律が回らなく、たどたどしくなってしまう。
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