ある雪の降る日私は運命の恋をする
視界に光が入ってくる。

ゆっくりと瞼を開ける。

目を覚ますと、私は酸素マスクを付けられ、楓摩に手を握られた。

楓摩は、何やら難しそうな本を読んでいる。

「……楓摩…」

「ん?あ、朱鳥おはよ。」

「…おはよ…………ねぇ……これ…取って………」

「ん?酸素マスク?んーとね、朱鳥はこの前意識失った時から2日間寝てたんだ。それに、寝てる間に喘息の発作も出てたから、念のために付けておいて欲しいんだ。」

「……わかった…」

「それより、1回診察していい?朱鳥は、楽にしてていいから。」

コクン

楓摩に診察をしてもらう。

それにしても、私、2日も寝てたんだ。

また、楓摩に心配かけちゃったな……

でも、どうせ寝てるなら治療が終わるまで寝てたかったな……

相変わらず、左手には抗がん剤の点滴が繋がってるし…

あと、3日……

早く終わって欲しいな…………

「んー、少し喘息が聞こえるけど、大丈夫だね。もしかしたら、今日も喘息の発作が出るかもしれないけど、その時はすぐに呼んでね?」

「…うん。」

「朱鳥、大丈夫?辛かったら寝てていいからね。」

コクン

「よし、じゃあ、俺は仕事行ってくるね!!また後で来るから」

そう言って手を振りながら楓摩は病室を出ていった。
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